Painter 8 BEGINNER'S GUIDE

Painter8

Painterの最大の魅力は,膨大なブラシの数にあります。

Painter8には,膨大な数のブラシが搭載されています。
突然,矛盾したことを言いますが,「種類が多い=高機能」ではないことが多くあります。たとえば,ボタンが多い機器類。メニューが多いだけのソフトウェアが世の中には氾濫しています。もっと言えば「機能の数だけボタンを増やす」ことは,簡単です。しかし「多機能=高機能」ではありません。最終的に道具は「単機能=高性能」を目指すべきだと私は考えます。

では,Painterにおける「膨大なブラシ」は,それだけ複雑さを増しているのでしょうか?
答えは「No」です。実際に,キャンバスを前にして絵を描こうとします。だいたい,使う画材はせいぜい数種類。鉛筆,消しゴム,水彩絵の具に絵筆,クレヨン。絵によっては,油彩だったり,あるいはチョークだったりするかもしれません。ペンだけですべてを描いてしまう場合だってあります。

Painterは実在の画材をシミュレートしていますから,自分の手になじんだ道具だけを使えばいいのです。鉛筆に慣れているかたは,鉛筆を。クレヨンが好きならクレヨンを。それがすべてです。「数が多いからわからない」と思う必要はないのです。自分の手に馴染んだ画材を選んで使う。それだけでPainterの魅力を引き出しているのです。

とは言っても,せっかくのコンピュータです。もちろんPainterの醍醐味はそれだけではありません。現実世界ではアクリル絵の具を使ったことがなくても,Painterのなかでは簡単にアクリル絵の具を使うことができます。それどころか,油彩で描いたものを消しゴムで消すことだって可能です。なかには,現実には存在しないエフェクトをかけるブラシだって収録されています。たくさんのブラシがあることは決して「高性能」であるとは言いませんが,それだけ表現の幅が広がっていることは確かなのです。

ブラシとバリアント

Painterには,様々なブラシが多数収録されています。標準ブラシというデフォルトのものでも32種類のブラシ。それは,クレヨンやエアブラシ,油彩,水彩,オイルパステルにパレットナイフなど,画材屋に行けば揃いそうなものです。しかし,たとえば水彩を使うとしても,筆は1種類だけではありませんね。細筆,太筆,平筆,丸筆。筆だってたくさんそろえなくてはいけません。その「筆」にあたる部分を,Painterではバリアント(ブラシのバリエーション)と呼んでいます。たとえば,「鉛筆」というブラシであれば,「2B」や「スケッチ鉛筆」,「グリス鉛筆」など,いくつかのバリアントが用意されてあります。

これらのバリアント数の総合は700を越える数が収録されているとのことです。よく,コンピュータで描いた絵は「コンピュータらしい絵柄」になりがちですが,Paitnerの700ものバリアントを活用すれば,個性あふれる絵を描くことだって簡単にできるのです。

実在しないブラシ

Painterには,現実では表現不可能なブラシも多数,用意されています。左図は,F-Xブラシといって,エフェクトをかけられるブラシです。このブラシを使うと,簡単に絵に炎やガラスを描くことが可能です。もちろん,タブレットの筆圧に応じたエフェクトをかけられます。このほかにも「フォト」という写真加工に適したブラシや「イメージホース」という,絵を貼付けるブラシなどユニークなブラシがあり,絵にアクセントをくわえられます。

ブラシだけではない数々の画材が魅力

700もブラシ(バリアント)があれば,どれかひとつは,お気に入りのブラシが見つかることでしょう。それを探すのも,Painterの愉しみのひとつ。もちろん慣れてくればブラシをカスタマイズして,もっと自分好みに作ることもできます。しかし,Painterに収録されている画材は,ブラシだけではないのです。もっとたくさんの画材道具が用意されています。