Painter 8 BEGINNER'S GUIDE

Painterって、どんなソフト?

コンピュータを使うと,いろんなことができます。

コンピュータは,とても便利な道具です。メールやWebは当たり前。好きな音楽や写真,ムービーを組み合わせて,自分好みのCDやDVDを焼くことだって,OSに標準搭載されているソフトでできてしまいます(MacOS Xには標準的にこれらのソフトが搭載しています)。
それ以外にも専用のソフトがあれば,作曲も,映画も,アニメだって作ることは可能です。

もし,あなたが絵を描くことが好きなら,Painterというソフトを使ってみてはいかがでしょうか。

Painterって,どんなソフトですか?

Painterとは,ひとことで説明すると「実在の画材をパソコン上に再現したグラフィックソフト」です。これを,発売元のCorelでは「Natural-Media」と呼んでいます。実在の画材たちの自然な描き味を表現している。というような意味だと私は解釈しています。そのキャッチコピーに偽りはなく,Painterに触れた人であれば誰もが納得がいくかと思います。誰でも使った経験がある鉛筆(2B)から,クレヨン,チョーク,水彩,油彩などなど,無限とも言える膨大な量のブラシが用意されているので,そのブラシを試しているだけでも,あなたのお絵描き心をくすぐってくれる,とても楽しいソフトです。

Painterは「道具」としての実用性と,「おもちゃ」としての遊び心の両方を兼ね備えたソフトであることは,間違いありません。

タブレットは必需品

Painterは,非常にすぐれたソフトですが,その優れたソフトを十二分にひきだすには,ペンタブレットとよばれるペン型のインターフェイスデバイス(入力機器)が必須です。もちろんマウスでもPainterを使うことは可能です。しかし,それではせっかくのPainterの魅力の半分も引き出すことはできません。それは,タブレットが筆圧を感知できる機器だからなのです。

タブレットは,一般的にUSBなどでコンピュータと接続するタブレットボードと,ペンで構成されています。

タブレットって,どんな道具?

「ペン型のマウスみたいなもの」と,よく説明されます。たしかに,その通りで,ペン型なので自分の思ったように線をひくことができます。左は,一般的なタブレットの模式図です。ペン先が,マウスのクリックにあたります。ボタンは,一般的にダブルクリックが割り当てられています。ペン先を2回,チョンチョン,と当てることでもダブルクリックになりますが,不馴れなかたは,クリックポイントがはずれてしまう(つまりダブルクリックにならない場合がある)おそれがあるため,このような機能を追加させています。2次ペン先は,タブレットによってはついていませんが,これは一般的にはクリックと同じ機能を持ちます。対応アプリケーションによっては,この2次ペン先に特定のブラシ(消しゴムなど)を割り当てられます。

筆圧ってどういうこと?

左のストロークをご覧ください。左がタブレットでひいた線。右がマウスでひいた線です。マウスは均一に線がひかれてるのに対して,タブレットは,かすれています。これは,タブレットパッドにかける手の力(圧力)を読み取り,その力具合に応じて,線の強さ(太さ)を表現しているのです。ですので,マウスよりもタブレットのほうが「持ちやすい」だけではなく,ソフトウェア的にも「実際のペンの感覚」をシミュレートしているわけです。

傾きも感知するPainter

タブレットによる「筆圧感知」は,PainterやPhotoshopをはじめ,多くのグラフィックソフトで実現している機能です。さらに,wacom製のタブレットを使った場合,「傾き」も感知されます。左図をご覧下さい。これはPainter8のエアブラシを使ってみたところですが,濃度に差があらわれています。これはつまり,下方向から,上方向に向かってエアブラシを吹きかけている状態です。これを,「タブレットをかたむける」だけで実現するのが,Painterの特徴です。

※傾きはPhotoshopでも対応しています。

傾きも感知するPainter

Painterは,非常にすぐれたソフトですが,その機能をすべて引き出すためにはタブレットが必需品です。したがって,どうしても「コンピュータで絵を描いてみたい」と思ったかたには,Painterのぶんと,タブレットのぶんと,両方の出費がかかるため,なかなか手が届かないかもしれません。しかし画材道具一式+画用紙代のかわりだと思ってみては,いかがでしょう。無限の画材と画用紙が手に入ると思えば,決して高くはない。と思いながら私は,毎回アップグレードを重ねています。