Painter BEGIN

デジタル水彩

「デジタル水彩」には,こんな歴史があります。もともと,『Painter6』まで「水彩」ブラシは1種類のみでした。そして多くのPainterユーザが,この「水彩」を愛用していました。『Painter7』で満を持して登場した,まったく新しい「水彩」は,Painter6以前のものとは,まったく異質の「水彩」でした。ゆえに,『Painter6』以前のユーザからは,Painter7は受け入れられませんでした。

そこで,『Painter8』では「水彩」とは別に「デジタル水彩」という名前のブラシを追加し,この「デジタル水彩」で『Painter6』以前のブラシを再現することになりました。しかし,それでもPainter6以前の描き味とは異なり,やはり『Painter6』以前から愛用している従来のユーザには広く受け入れられませんでした。その理由のひとつが,『Painter8』のデジタル水彩は,ファイルを保存して閉じてしまうと自動的に水彩が「乾燥」されてしまうからなのです。

『Painter IX』の『デジタル水彩』は,ようやくファイルを閉じたあとも「乾燥」が行われず,塗り立ての状態で保存しておかれるようになりました。『Painter6』から,何度ものバージョンを重ねて,ようやく,『Painter6』以前の「水彩」に,また一歩近づいたのです。喜ぶべきこと……と思います。しかし,これは本当に心から喜ぶべきことなのかどうかは,わかりません。

そしてもうひとつ。「水彩境界」とよばれる設定値がダイナミック値になりました。
これは,『Painter8』で登場した「デジタル水彩」のもうひとつの欠点である「水彩境界の跡がくっきり残ってしまう」という欠点を補うものです。この値を好みにあわせて調節することで,『Painter8』からのユーザにも,『Painter6』以前からのユーザにも受け入れられる「デジタル水彩」が,ほぼ完成したと言って問題ないでしょう。

デジタル水彩でストロークを重ねたあとで,「水彩境界」スライダを0%にしたものと,100%に変更したものの2種類です。これは「デジタル水彩」を乾燥させない限り,どんなときであっても「水彩境界」のスライダを調節することで自在に変更できます。

『Painter6』以前のような「水彩」を好む場合,水彩境界は,なるべく0%に近くさせ,『Painter7』以降の「水彩」に近づけたい場合は,100%に近く設定すると良いでしょう。

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