Illustratorのブラシを上手に管理したい

Illustratorのブラシやスウォッチなどはファイルに内臓されます

illustratorFileの構成

Illustratorのブラシやスウォッチなどのライブラリ要素は保存したファイルに内臓されます。一見すると,ブラシやスウォッチなどはIllustratorのアプリケーション側で制御されているようにも見えますが実際には,すべてファイル(.ai)側で制御されます。

ファイル側で制御するため,当然,そのファイルの保存バージョンによって記録されるライブラリ要素にも違いがあります。たとえば「シンボル」はIllustrator10から搭載された機能であるため,Illustrator9以前のバージョンで保存した場合,ライブラリとしてIllustratorファイル(.ai)に保存されません。

では,実際にIllustrator上で絵を描いたうえでIllustratorのファイル構成についてご説明します。Illustratorで新規書類(CMYKカラーモード)を作成し,下のような絵を描いたとします。

対応アプリケーション: Illustrator

Step.01

このイラストを「PainterRider.ai」というファイル名で保存します。当然,アートワークウインドウのイラストは,ファイルとして保存されます。しかし,この「PainterRider.ai」というファイルには,同時にスウォッチ,ブラシ,シンボル、スタイルも保存されます。

Illustratorファイルを作成
Step.02
ライブラリ

仮に,このファイル操作時にブラシをすべて削除したとします。そのうえで,このファイルを上書きすれば,ブラシは保存されません。不必要なブラシやシンボルなどのライブラリ要素を削除することでファイル容量をある程度,抑えることは可能です。

ライブラリ

では実際にファイル容量を比較してみます。アートワークには何も描画せず,Illustrator10形式でデフォルトの設定で保存を試みます。
初期設定のまま,すべてのライブラリを残した状態で保存した場合,220 KB (220,976bytes)となります。
初期設定のすべてのライブラリを削除して,同じ条件で保存した場合,88 KB (85,464bytes)となりました。差分は, 約135,512bytesとなります。あまりたいした差分ではありませんが,なにげなく作成した新規書類であっても,そのまま保存した場合,100KB強をライブラリとして占めていることになります。

Step.03

自分で作成したオリジナルのブラシを別のファイルで利用するためには,ひとつのファイルに登録し,あとでライブラリとして開けば独立したパレットとして活用できます。ライブラリを開くには,ウインドウメニューにある「ブラシライブラリ」から,「その他のライブラリ...」を選択し,必要なファイルを開けばパレット化してillustratorで利用できます。

「その他のライブラリ...」から毎回,ファイルを選択するのが面倒な場合,Illustratorのアプリケーションフォルダ内の「プリセット」フォルダ内に,各種プリセットライブラリが収録されています。ここにある各フォルダに自分で作成したファイルを入れておくことで,直接,メニューから選択することが可能になります。

ウインドウメニュー